持続可能な
文化の未来
Sustainable Cultural Futures

「文化セクターの持続可能な未来を探る。」

日英共同研究プロジェクト「持続可能な文化の未来」について

キングス・カレッジ・ロンドン(英国)と同志社大学(日本)が主導する
「持続可能な文化の未来」: COVID-19 and Resetting Cultural Policy (SCF)は、
中長期的な視点に立ち、パンデミック以前の前提を再考し、文化政策研究の新たなフロンティアを探り、
芸術文化のより持続可能な未来を構築することを目的としています。具体的には、
1)文化に関する価値観と文化政策の目的、
2)文化関係の仕事をと取り巻く制度、
3)文化創造・消費のデジタルトランスフォーメーション

の3つのテーマに焦点を当てています。

COVID-19の課題に取り組む
日英共同研究

本プロジェクトSCFは、COVID-19パンデミックによって引き起こされる様々な課題に取り組むことを目的として公募され日本学術振興会において採択された10件の日英共同研究プロジェクトのうちの1つです。この10件のプロジェクトは、経済社会研究評議会(ESRC)、人文科学・芸術研究評議会(AHRC)、日本学術振興会(JSPS)により共同で助成を受けています。これらのプロジェクトの主な目的は、世界的なパンデミックの影響を緩和し、今後の公共的政策のあり方につき、新たな知識と理解を生み出すことにあります。このような努力の一環として、SCFプロジェクトは、文化政策研究における初の日英学術的な大規模共同研究となりました。
 
国際比較アプローチ
文化政策の理解、実践、目的の変遷に関する独自の知見を生み出すこのプロジェクトの比較アプローチは、より持続可能な文化政策の未来をめぐる日英間の対話と理解のための貴重な機会となっています。

イギリス側プロジェクトホームページはこちら
文化政策にとっての
「重要な分岐点」としてのCOVID-19

本プロジェクトSCFは、パンデミックが文化政策にとって「重要な岐路」となる瞬間を開いたことを示唆する先行研究を基礎としています(Lee et al 2021, The Covid-19 Crisis and ‘Critical Juncture’ in Cultural Policy, International Journal of Cultural Policy)。本プロジェクトの英国側代表者による本論文では、短期間において、新たなアクターや政策アイデアが登場し、重要な決定が下され、文化政策の将来の発展に大きな影響をもたらしたことが論じられました。多くの国において、パンデミック以前の文化政策は、①文化政策の目標を経済的な用語(GDPに対する文化の貢献など)で表現することが適切であり、②国家支援の優先順位は(文化労働者ではなく)文化団体に向かうべきであり、③文化や芸術は物理的な会場での対面的な交流によって発展しうるという3つの前提に基づいていました。会場が閉鎖され、プロジェクトが延期または中止され、その結果、多くのアーティストやクリエイティブ・ワーカーが収入を失い、組織だけでなく、これらのワーカーもデジタル空間に創造・発表の場を移さざるを得なくなりました。パンデミックが、以前の文化政策の前提を覆しており、文化政策には新たなアプローチの模索が必要となっていることは明らかです。
私たちの活動のインパクト
〜セミナー参加者の声〜

「SCFセミナーで共有されたこの最近の調査からの洞察は、クリエイティブ・スコットランドがスコットランド政府のフェア・ワーク・ファーストの優先事項やクリエイティブ・プラクティショナーへの継続的な支援を実現するために行っている活動に関する興味深い文脈を提供してくれました。調査結果は、異なる地理的な場所で働くアーティストやフリーランスの文化労働者にとって、多くの共通の問題があることを示しています。Covid-19における英国と日本の緊急芸術資金に対する構造的な対応の違いも興味深いものでした。今後クリエイティブ・セクターを支援する政策やアプローチを開発するために、私たちが国際交流を通じて学び続けることができると確信しました。そのための有益な枠組みもセミナーから学ぶことができました。」

キルスティン・マクドナルド、ビジュアル・アーツ・オフィサー、クリエイティブ・スコットランド

「セミナーは非常に洞察に富み、有益でした。共有され、提示された情報は、私たち自身の調査結果や知見と一致しており、芸術分野のフリーランサーへの支援を促進するための私たちの継続的なロビー活動に役立ちます。」

アリスター・コープ、フリーランサーズ・メイク・シアター・ワーク

「新型コロナウィルスが人々の文化行動にどの様に影響しているかについて個人的に漠然と考えていたことが、日英の客観的なデータの裏付けの元に分析されている点が良かった。」

公務員・山口県在住(第1回オンライン・セミナー参加者)

「我々、音楽ユニオンが抱えている課題の解決に向けて、ヒントになる話がたくさんありました。FIM執行委員国として、イギリス、ノルウェーとは友好関係を築いています。今後も、このようなセミナーに参加したいですし、情報を共有していければと思います。 ありがとうございました。」

日本音楽家ユニオン 事務局次長 青谷充子 (第3回オンライン・セミナー参加者)

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